こんにちは。コンサルティング課の小谷です。
今週は、東京のオフィスを出て、岩手県釜石市にあるPCKK三陸沿岸復興事務所にて、業務のお手伝いをしています!
加藤商事が行政のお手伝いとして取り組んでいることの一つが、
『「思い出の品」を返そうプロジェクト!!』
(正しくは、拾得物回収・公開・管理業務)です。
津波で流されてしまった写真やアルバム、手紙、位牌などの思い出が沢山つまったものを、廃棄物として処分せずに持ち主に返そう、という取り組みです。
拾得物は、釜石市民文化会館にて展示、保管されています。
被災者の方は、写真1のような写真入りの拾得物台帳を見て、自分の持ち物がないかを確認します。拾得物には一つずつ管理番号があるので、自分のものを見つけた際には、管理番号を照合して保管場所からお渡しする仕組みになっています。
(写真1:地域ごとに分類された拾得物台帳)
現在、約3000点ほどが返却されていますが、まだ2万点弱の拾得物が持ち主のもとに戻ることなく、保管されているそうです。
せっかく津波被害を乗り越えて、持ち主を待っている思い出品たちですが、情報の周知やアクセスなどの問題から、未だに大部分を返却することができていないのはとても残念ッ!
(写真2:拾得物が保管されている倉庫)
そこで、学校や自治体、寺社などに電話で問い合わせたり、ボランティアの方が地域を回って直接お返しに行ったり、といった地道な取り組みを続けています。
思い出の品は、確かに小さいものであり、他人にとっては価値の分かりにくものですが、ご本人にとっては、自分の人生を刻んだ大切な宝物です。一点でも多くのものが持ち主の元に返ることを願ってやみません。
生活は既に落ち着いてきている釜石ですが、市内を見て回ると、沿岸地域は津波の被害も大きく、震災から1年経った現在でも、当時の傷跡を多く残していました。
町を見渡しても、未だに解体作業が続いている状況で、復興までの道のりの長さを実感しました。
写真3:崩壊したまま修復されていない防潮堤(小白浜)
集積場では、災害廃棄物が分別して保管してありました。市内に貯めてある廃棄物は徐々に片付いてきていますが、まだまだ果てしない量の廃棄物が残存しており、日々処理業務が続いています。
写真4:鉄くずを四角く固めてベールにしているところ
(奥の青い機会でベール状に固めて、横に並べています。手前は処理されずに保管場所においてある自動車です)

(災害廃棄物は、岩手県内だけでも通常の11年分(!)もの量になります。環境省では東京なども含めた広域処理を推進していますが、なかなか進まないのが現状でありましょう。)
しかし、そんな中でも自然の力は偉大ですね。がれきの中からも春の花々がキレイに咲き誇っていました。